「ます」と書こうとすると、升なのか枡なのか…はたまた〼なのか…
何と書いたら良いのか迷ってしまいますよね。
今回はそんな【升、枡、舛、桝、〼】というますに関わる文字についてのお話です。
枡の知識が身について、枡をより楽しんていただけたら幸いです。
1.升と枡の違い
まず初めに、升と枡の違いについて見てみましょう。
1- 1. 升のなりたち
《意味》
1、のぼる、上にあがる、高くなる、もち上げる。「上升」
2、尺貫法で定められた、容量の単位。「一升」
3、ものの容量をはかる道具。「升酒」
4、穀物が実る。転じて世の中が平和で良くなる。「升平」
5、易(エキ)の六十四封の一つ。(中国の占いの一つ)
※ちなみに、「昇」は「太陽(日)が升る」を組み合わせた文字。
「升」には容器としてだけでなく、多くの意味が含まれています。
≪音読み≫
しょう
≪訓読み≫
ます、のぼる
≪なりたち≫
柄杓(ひしゃく)でものをすくい上げる形の象形文字から。
1 – 2. 枡のなりたち
≪意味≫
1.ものの容量をはかる容器。「枡」
「升」に対して、木へんの「枡」は容器としての意味しかありません。
≪音読み≫
(ありません)
≪訓読み≫
ます
≪なりたち≫
「枡」は、元々あった「升」に、「木でできた容器のます」という意味を示すために後から作られました。
木升のために作られた、日本製の漢字なのです!
ますを「升」と書くと、「一合ます」と書く際に、「一合升」となり、単位が合なのか升なのか分かりにくくなってしまいます。
そこで容器としての「ます」にのみ木へんをつけて「枡」と書き分けるようになりました。
1 – 3. 升と枡の使いわけ
それでは、「升」と「枡」はどのように使い分けたら良いのでしょうか?
「枡」という字には、「容器のます」の意味しか持ちません。
なので、容量をはかる道具「ます」には「升」と「枡」両方ともお使いいただけます。
その他の意味で使う時は「升」を使いましょう。
2.升と舛、枡と桝の違い
「桝」という字は「枡」の旧漢字だと思われている方もいらっしゃると思います。
私もそう思っていました。
しかし、実際は「升」が先にあり、後から「ます」の読みでの「桝」が作られたのです。
2 – 1. 舛の意味となりたち
「舛」という字を最近名前等で見かけることがあるかと思います。
この「舛」の字、最初は「ます」とは読まなかったのです!
《意味》
1、そむく。「舛互」
2、違える、間違う。「舛誤」
3、入り混じる、乱れる。
4、「升」の俗字
《音読み》
せん、しゅん
《訓読み》
いりま(じる)、そむ(く)、ます
《なりたち》
両足が反対方向を向く形からできた、象形文字。
「升」と形が似ているため、崩し字で書いた時に読み間違えられたことにより、
「ます」と読むようになりました。
2 – 2. 「升・枡」と「舛・桝」の違い
「舛」は「升」と形が似ているため、「ます」と読まれるようになったもの。
「舛」に木へんをつけたもので、「桝」も「枡」と同様のなりたちです。
3.〼とは?
《名前》
枡記号
昔使われていた、
上から見たものを図案化したもので、江戸時代から使用されてきたものです。
《使い方》
〼は家紋で使われることもあります。
「ます」と呼ぶことから丁寧語尾の「ます」の置き換えとしても使用されることが多くあります。
4.まとめ
今回は升と枡の違いについて、解説させていただきました。
この記事を読むことで、
「枡」は容器の木枡を呼ぶ時に使い、
「升」はその他の場合にも使用できることを
知っていただけたら、嬉しいです!
これからも枡を探究していきたいと思い〼!
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